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[医療×エンタメ] 2019/09/27[金]

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ワールドカップラグビー

繰り返す肩関節の脱臼は骨を削る「骨欠損」を招く

ラグビーワールドカップ2019日本大会がついに始まりました。連日熱戦が繰り広げられ、日本中が盛り上がっていますね。日本代表はロシアとの初戦を制し、勝利ポイント4、ボーナスポイント1を獲得しました。

ラグビーは、走る・投げる・蹴る以外に、スクラムやタックルといった選手同士の接触が多く、けがと隣り合わせの競技です。ラグビー選手のけがで多いとされるのが、肩関節の脱臼・亜脱臼。「脱臼はクセになりやすい」といわれますが、脱臼・亜脱臼を起こしたラグビー選手の約半数が、同じシーズン中に再び脱臼を起こしていることがわかっています。

順天堂大学大学院医学研究科 整形外科・運動器医学の金子和夫 教授、川崎隆之 准教授、長谷川圭紀 医員らの研究グループは、そんなラグビー選手の脱臼・亜脱臼に関する興味深い研究データを公表しました。ラグビー選手の利き手側で「4回」、非利き手側では「5回」脱臼や亜脱臼を繰り返すと、手術での回復が難しくなるほどの骨欠損の大きさになってしまうというものです。

脱臼や亜脱臼を繰り返すと、肩関節を構成する肩甲骨の関節窩前縁(かんせつかぜんえん)と上腕骨頭後外側(じょうわんこっとうこうがいそく)の骨が欠ける「骨欠損」が生じることが知られています。さらに、脱臼や亜脱臼の頻度が高くなると、骨欠損が大きくなることがこれまでの研究でわかってきました。骨欠損が大きくなると標準的な手術では対応できないため、骨欠損の状態が手遅れになる前に治療を行う必要があります。

現役選手の肩を調査、約6割の選手が「準危険域」

研究グループは、2011年~2016年に肩関節脱臼の治療のために順天堂医院を受診したラグビー選手のうち、「競技レベルでプレーをしている」「復帰を望んでいる」「手術歴がない」という条件の選手72人の144肩を対象として、CT検査で肩関節の骨欠損の程度を評価しました。選手の特徴として「脱臼・亜脱臼回数」「利き手側かどうか」「年齢」「BMI」「プレーレベル」「カテゴリー」「ポジション」「弛緩性」などをカルテから抽出し、CT検査で評価した骨欠損の状態を「危険域」「準危険域」「安全域」の3つに分類して特徴との関係を分析しました。

危険域は、関節唇形成術(かんせつしんけいせいじゅつ)という標準的な手術を行っても安定性が得られない大きさと定義。準危険域は実際に手術を行ったものの再脱臼が起こりやすかったり、痛みなど不満を残すことが多い骨欠損の大きさと定義しました。分析の結果、約2割の選手が危険域に達しており、約6割の選手が準危険域に達していました。また、選手の特徴とあわせて分析すると、「脱臼・亜脱臼の回数」と「受傷した肩が利き手側かどうか」が関係することがわかりました。

さらに、統計解析を行ったところ、危険域になるのは利き手側で6回、非利き手側で9回、準危険域になるのは利き手側で4回、非利き手側で5回という結果に。利き手側で回数が少ないのは、タックル時の衝撃が非利き手側よりも強いことが考えられるそうです。

研究グループは、「実際の競技現場では、脱臼・亜脱臼をしても、医療機関を受診せずに様子を見てしまったり、我慢してしまう選手がしばしば見受けられます」としたうえで、「繰り返す脱臼・亜脱臼に悩む選手は、早期(3回まで)に医療機関を受診し、骨欠損の評価および治療を受けることで、標準的な手術で対応できなくなることや術後不満を抱えやすい状態になることを防ぐことができます」と、コメントしています。

ワールドカップ開幕2週間前、南アフリカとの代表戦で日本の選手2人が負傷しました。NO8のアマナキ・レレィ・マフィ選手は右肩を、ウイングの福岡堅樹選手は右ふくらはぎを傷め松葉づえをついている状態でした。この2選手はロシア戦のスタメンから外れましたが、ケガの状態はそれほど深刻ではないとヘッド・コーチが記者会見で発表しています。

けがには十分に注意し、けがをした場合でも、きちんとケアをすることで、一戦一戦を戦い抜いて欲しいですね。(QLife編集部)

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