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[医療×エンタメ] 2019/12/20[金]

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お芝居の見学中、突然の脳出血で右半身まひに


(左)から峯村純一さん、河合美智子さん

 NHKの連続テレビ小説「ふたりっ子」で演歌歌手「オーロラ輝子」役を演じ、紅白歌合戦への出場経験もある女優の河合美智子さん。河合さんは、2016年夏に脳出血を発症し、右半身にまひが残りました。脳出血は脳卒中のひとつで、脳の中にある細い動脈が破れることで発症します。多くの場合、河合さんのように、片まひや感覚障害といった後遺症が残ります。しかし河合さんは、右半身まひの状態から必死にリハビリを行い、見事、表舞台への復帰を果たすまでに回復しました。そんな河合さんは夫の峯村純一さんとともに、保険外リハビリ施設『脳梗塞リハビリセンター』運営会社である株式会社ワイズが12月13日に都内で開催した脳卒中経験者やご家族向けの講演会で、「脳卒中後の生き方を考える~あきらめないリハビリ〜」と題して講演しました。

 河合さんが脳出血を発症したのは、都内でお芝居の見学をしていたときのことでした。最初は突然、足の感覚が無くなっていったのだそうです。夏だったこともあり、「熱中症になったのかな?」と思ったという河合さん。しかし、足だけだった異変はみるみると体の上の部分にも現れ始め、ついに手が動かなくなってしまいました。救急車で運ばれると、だんだんと呂律がまわらなくなり、自分では話しているつもりなのに、聞こえてくるのは「うー」「あー」という言葉だけだったそうです。河合さんの急な変化を目の当たりにした峯村さんは、「脳卒中は、本当に突然やってくるものなんだと思った」と、述べました。

辛いときこそ「前向きな気持ち」を忘れずに、楽しむくらいの気持ちでリハビリを

 脳出血により右半身まひとなった河合さんは、発症から3、4日目でリハビリを開始。峯村さんは、不安な気持ちを悟られないように、河合さんの前では必死に平気なふりをしていたそうです。河合さんが女優として表舞台に復帰するために、峯村さんも懸命にリハビリのサポートをしました。河合さんは、右半身が全く動かない自身の状況に、「役者として本当に復帰できるのかな…?」と不安を感じつつも、ネガティブなことは考えないように心がけたのだそうです。むしろ、「リハビリのおかげで、次は理学療法士の役ができるかもしれない!」と考え、前向きな気持ちでリハビリに取り組んだといいます。「いつか理学療法士の役を演じるときのための取材だ、と思って取り組んだから、リハビリは楽しかった」と笑顔で語った河合さん。「リハビリはやった分だけ体に変化が現れると思うから、受け身ではなく能動的に、楽しむくらいの気持ちで取り組むことが大切だと思う」と、述べました。

 また、「リハビリに取り組む際に大切なことは、具体的な目標を持つこと」と河合さん。今では杖を使って自力で歩くことができる河合さんですが、リハビリを開始してすぐの時期は、車椅子生活を送っていました。そんな時に、NHKの番組から出演依頼があり、オーロラ輝子の代表曲を生放送で歌うことが決まったのだそうです。着物を着た状態で、自力で花道を歩き、さらに大勢の前で歌うということは、当時の河合さんにとってはとても難しいことでした。それでも「やりたい。絶対に出たい」と思い、必死にリハビリを行った結果、見事、自力で歩いて舞台を進み、歌うことに成功。河合さんは「具体的な目標を持ってリハビリに取り組み、目標達成できたことが自信につながった」と、述べました。

 脳卒中を発症してリハビリを経験したことで、「今までの自分とは、また違うステージに上がった」と、河合さんは感じているそうです。「何か辛いことが起こったとき、辛いことばかりを見てしまって視野が狭くなりがちだけど、見えていないだけで、実は選択肢っていろいろあると思う。辛いときこそ、広い視野で、物事を前向きに見て欲しい」と述べ、講演を締めくくりました。

退院後も障害が残っている場合、保険外リハビリという選択肢も

 現在、脳梗塞・脳出血などの脳血管疾患を発症後、後遺症のリハビリを兼ねた入院日数には制限があります。そのため、患者さんは、生活に必要な日常生活の動作(食事をする、入浴する、など)ができるようになった時点で、体のまひなどの障害が残っていた場合であっても、退院しなくてはいけません。また、退院後に社会復帰を考えて、さらなる症状の改善を望む場合、ご本人が望む改善内容によっては、公的社会保障制度の適用範囲内で受けられるリハビリだけでは難しいことがあります。

 講演会の後半では、株式会社ワイズが、「後遺症を改善したい」「職場復帰したい」といった患者さんの声に応えるべく運営している、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、鍼灸師、トレーナーによる脳卒中の後遺症改善に特化した保険外リハビリ施設『脳梗塞リハビリセンター』を利用する方々の事例が紹介されました。同センターは現在、21拠点(2019年11月現在)で、これまで4,000名以上のリハビリをサポートしています。

 今回紹介されたのは、軽度・中程度・重度の後遺症リハビリの事例で、そのうちの一人は、右片まひの40代女性。この方は、復職を目標に掲げ、『脳梗塞リハビリセンター』でのリハビリを開始しました。センターに通い始めた頃は、杖を使って何とか歩けるような状態だったそうですが、リハビリを通じて杖無しで歩けるまでに改善したそうです。その後、エンジニアとして仕事で必要な手のリハビリに励み、、無事に復職できたそうです。目標を達成した今、この方は「よりスムーズに、パソコン操作を行えるようになる」という新たな目標達成に向けて、前向きにリハビリを続けているそうです。

 このように、その人の目標にあわせて個別のリハビリプランを考え、前向きにリハビリを続けられるようにサポートするのが、『脳梗塞リハビリセンター』の特徴です。河合さんのお話にもあったように、リハビリを行う際には、前向きに取り組むことが大切なポイントのひとつ。脳卒中の後遺症に関する悩みを抱えている方は、症状の改善はもちろん、前向きにリハビリに取り組むための選択肢のひとつとして、保険外リハビリを検討してみても良いかもしれません。(QLife編集部)

※今後、東京・横浜・名古屋・神戸・福岡・鹿児島で同様の講演を予定。詳細が決定次第、webにて情報公開。脳卒中当事者およびそのご家族、医療・介護職いずれでも参加可能。

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