痛みが不快感を起こすメカニズムを解明
[ニュース・トピックス] 2013年6月03日 [月]
痛みを悪化させる悪循環
痛みは長期にわたるとうつ病や不安障害などの精神疾患を発症し、痛みを悪化させる悪循環となってしまいます。痛みは体の危険を告げる警告信号です。その警告信号を察知し、病院受診などを行い、危険を回避します。しかし、その警告を察知した後もそのまま無視し続けると、慢性痛となり、生活の質を損ないます。これまで、痛みが不快感を起こすメカニズムはこれまで解明されていませんでした。ところがこの度、北海道大学の研究グループが痛みによる不快感に関係する神経細胞である脳内の「不快神経」の同定に成功しました。
痛みはなぜ不快?
研究グループは「分界条床核」という脳の部位でCRFとNPYという2つの神経ペプチドが、痛みにより不快感が現れることに関係することをつきとめました。これらのいわゆる「不快神経」は、痛み以外にも「苦み・酸味・悪臭、暑さ・寒さ」などの感覚刺激や精神的なストレスなどに反応し、活動が亢進することで不快感を引き起こすと考えられる、と同グループは報告しています。(佐々木理恵)