小児線維筋痛症とコエンザイムQ10の関係を解明

[ニュース・トピックス] 2013年8月23日 [金]

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国内でおおよそ200万人の患者がいる線維筋痛症

(この画像はイメージです)

 線維筋痛症とは、体の広範な部位に激しい慢性の疼痛と「こわばり」が発症する疾病です。激しい疲労や倦怠感、頭痛・頭重感、抑うつ気分、不安感や不眠などの自覚症状を伴います。原因不明の比較的頻度の高い難治性の病気で、日本では人口の約1.7%にみられ、おおよそ200万人の患者がいると思われます。


 原因は不明ですが、痛みの原因は神経障害性疼痛のひとつとされ、痛みを伝える神経が異常に活動して、わずかな刺激で痛みを過剰に感じる、痛み神経の過敏状態になっているものとされています。発症のきっかけは、手術、けが、強い身体的・精神的ストレスなどで、また日常生活の大きな出来事が病気の経過に影響を与えます。

コエンザイムQ10の欠乏

 東京工科大学応用生物学部の山本順寛教授らの研究チームは、小児線維筋痛症が、コエンザイムQ10の欠乏によって起こることを、横浜市立大学医学部小児科との共同研究で明らかにしました。コエンザイムQ10は、心臓、肝臓、腎臓に多く含まれる物質で、日常生活を送る上で必要な細胞エネルギーを作り出すために欠かすことのできない重要な物質です。
 

小児線維筋痛症の患者は、血漿酸化ストレスマーカーが高いことに加えて、血液中コレステロールが高く、コエンザイムQ10が少ないことが新たに発見されました。患者にコエンザイムQ10を投与したところ、高コレステロール血症の改善と疲労度の軽減が認められました。(堤朝子)

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