専門医より推薦を受けた診療科目・診療領域

淀川キリスト教病院は、複数の有名専門医(※)の間で「自分や家族がかかりたい」と推薦されています。
このページでは、専門医より推薦を受けた分野(科目、領域)の特色や症例数、所属している医師について取材・調査回答書より記載しています。 ※推薦、選定して頂いた有名専門医の一覧表

消化器病センター・消化器内科

分野

消化器・一般内科

特色

日本医療機能評価認定病院・ISO9001(国際標準化機構)取得病院であり、医療システムや安全システムに関して第三者から認証を受けている

★地域医療支援病院・大阪府がん診療拠点病院として地域医療機関の先生方との病診連携を推進するとともに、24時間365日体制でトップレベルの急性期医療・救急医療体制を堅持している。消化器病センター・内視鏡センターを中心に消化器内科、外科、放射線科が密に連携し、受診当日から迅速な診断と治療がスタートする

★内視鏡治療・癌治療・緩和医療を治療の3本柱に掲げ、質の高い医療を提供することにより、患者さんが安心できる医療、患者さんに信頼される医療を実践している。日常臨床はまさに“癌患者さんとのお付き合い”といっても過言ではなく、診断・治療のみならず、告知やインフォームド・コンセント、末期癌の緩和医療に取り組み、ホスピスとも連携している。患者検討会2回/週、部長回診2回/週とチーム医療を大切にしており、医療レベルの向上のため積極的に論文・学会発表を行う。また、近隣の先生方と一緒に淀川消化器疾患懇話会(2回/年)、淀川GIカンファレンス(2回/年)、消化器診療勉強会(2回/年)を開催することにより、地域医療連携ネットワークの構築を目指す。

症例数

09年の消化器内科年間実績を示す

★外来・入院患者数は、総外来患者34,258人、消化器内科病床約100床/日、総入院患者35,172人、新入院患者2,926人(上部・下部消化管疾患約60%・肝疾患約20%・胆膵疾患約20%)、平均在院日数11.3日と患者数も多く、あらゆる急性・慢性疾患に対応している

★検査件数は、内視鏡検査15,310(上部消化管内視鏡10,719・下部消化管内視鏡3,885・胆膵内視鏡430・超音波内視鏡276)、腹部超音波5,843、上部消化管造影170、注腸・小腸検査258と大変多い

★治療法は、適応を十分検討した上で選択していただいており、主な治療内容を示す

★消化管疾患に関して、胃・十二指腸潰瘍からの出血は内視鏡的止血術を施行し、食道静脈瘤の破裂には内視鏡的結紮術や硬化療法を行う(177例)。上部消化管の早期癌や前癌病変は、超音波内視鏡検査により適応を判定し、内視鏡的粘膜下層剥離術により一括切除する(83例)。嚥下困難や食道の通過障害および異物誤嚥の場合、内視鏡的胃瘻造設術・食道狭窄拡張術・ステント留置術・異物摘出術を実施する(100例)。大腸の早期癌やポリープは内視鏡的粘膜切除術を施行する(617例)。難治性潰瘍性大腸炎には白血球除去療法、難治性クローン病には抗TNFαモノクローナル抗体療法も行う(18例)

★肝胆膵疾患に関して、肝臓癌は経皮的ラジオ波焼灼療法・エタノール注入療法や肝動脈塞栓術を施行する(199例)。C型慢性肝炎にはインターフェロン治療を行う(32例)。胆管結石は内視鏡的乳頭括約筋切開術後、内視鏡的に摘出する(136例)。膵石や膵仮性嚢胞には体外衝撃波砕石法などによる結石除去や内視鏡的膵管ドレナージ術・膵仮性嚢胞ドレナージ術を施行する(67例)。胆管癌・胆嚢癌・膵癌・胆管結石による閉塞性黄疸は、内視鏡的胆管ドレナージ術を行う(191例)。閉塞性黄疸・急性胆管炎・急性胆嚢炎・肝膿瘍には、経皮経肝的胆管ドレナージ術・胆嚢ドレナージ術・肝膿瘍ドレナージ術を施行する(78例)。また、手術不能の食道癌・胃癌・大腸癌・肝臓癌・胆管癌・胆嚢癌・膵癌に対しては、抗癌剤療法や放射線療法などを実施する(多数)

★癌の治療方針としては、早期癌など治る可能性の高い場合には外科的治療・内視鏡治療など最も優れた治療法を、進行癌でも予後が十分期待できれば積極的な治療法を選択していただくことが多い。一方、治る可能性の少ない進行癌では元気なうちに何をするかを決めていただき、限りある時間の中で最も心地よい過ごし方を選んでいただくことが重要だと考えている。消化器病センターでは、いずれの時期においてもお役に立てるよう専門医・看護師・技師などのスタッフがチーム医療を行っている。

医療設備

最新内視鏡、特殊光観察内視鏡(NBI)、超音波内視鏡、3D-CT、MRI、リニアック、体外衝撃波砕石装置ほか。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

呼吸器センター

分野

呼吸器内科

特色

当院は、北大阪に位置する基幹病院であり、全人医療を理念に掲げ、呼吸器疾患全般について地域に根ざした医療を心がけている。救急医療にも力を注ぎ、救急診療科や集中治療科とも連携して24時間体制で救急患者を受け入れている。呼吸器外科との関係をより密にするため呼吸器センターを開設し、手術や外科的処置の必要な患者の内科から外科へのスムーズな移行を図っている。

症例数

2008年度延べ入院患者数は約1,300人で、内訳は呼吸器感染症(肺炎・胸膜炎など)約370例、悪性腫瘍(肺癌・縦隔腫瘍・胸膜中皮腫など)約400例、気道疾患(気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患など)約240例、びまん性肺疾患(間質性肺炎・サルコイドーシスなど)約60例、胸膜疾患(気胸など)約60例、睡眠時無呼吸症候群が約10例であった

★気管支鏡検査は238人に行っており、症例によっては3DCT画像を用いてバーチャル気管支鏡を作成し、積極的に細径ファイバーを用いて的確な診断に努めている。診断を目的とした外科的胸腔鏡検査は約10例、縦隔鏡検査は2例、喀血に対する気管支動脈造影・動脈塞栓術は23例であった

★呼吸器感染症では、喀痰のグラム染色や尿中抗原キットなども使用しながら、迅速な診断、適正な抗菌薬の選択に努めている。結核については、当院に結核病棟がないため、隔離が必要な患者は近隣の専門病院に紹介している

★肺癌の内科治療では化学療法を主体に、必要に応じて放射線療法も追加している。薬剤としては従来のプラチナ製剤や新規抗癌剤の併用、適応があればイレッサやタルセバも投与している。日常生活を行いながら治療を継続していくために、外来化学療法への移行も積極的に推進し、疼痛に対する緩和医療も積極的に併用している

★呼吸器外科では2009年では原発性肺癌31例、転移性肺癌6例、縦隔腫瘍8例、気胸及びのう胞性疾患29例、膿胸8例に対し胸腔鏡(補助)下に手術を行った

★気管支喘息は外来治療が主体であり、ステロイド吸入を主体として病状に応じて併用薬剤を用いている。入院の必要な場合には点滴・酸素吸入に加え、重症例では非侵襲的人工呼吸器を積極的に活用して早期の病状改善を図るようにしている。慢性閉塞性肺疾患では、抗コリン薬の吸入を中心に薬物療法を行い、重症患者では在宅酸素療法や非侵襲的人工呼吸療法も導入。在宅酸素療法を受けている慢性呼吸不全患者は約100例前後、非侵襲的人工呼吸療法併用は約15例行っている。急性増悪をきたした場合には非侵襲的人工呼吸、さらに重症の場合には集中治療科と共同してICUでの挿管下人工呼吸治療も行っている。また看護師、理学療法士、薬剤師、MEとも連携して呼吸サポートチームを結成し、慢性呼吸器疾患患者のケアに積極的に取り組んでいる

★びまん性肺疾患については、高分解能CTや気管支鏡検査、胸腔鏡下肺生検などを用いて診断し、ステロイドや免疫抑制剤による治療の必要性を判断している

★難治性の喀血については、気管支動脈造影・動脈塞栓術を行ったり外科的に手術を選択したりする場合もある

★睡眠時無呼吸症候群では、外来でのスクリーニング検査の後、入院によるポリソムノグラフィによる精査を行い、適応のある患者にはCPAP(持続陽圧呼吸療法)を導入している。

医療設備

CT、MRI、核医学検査、呼吸機能検査、呼気ガス分析器、ポリソムノグラフィ、気管支鏡、胸腔鏡、縦隔鏡、リニアック。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

腎臓内科

分野

腎臓内科

特色

地域の中核病院として蛋白尿・血尿から腎不全、透析まで腎疾患全般の診療を幅広く行う。合併症を有する患者の透析も院内他科と連携して積極的に行っている。腎臓内科外来及び外来血液透析、腹膜透析(CAPD)は予約制の腎クリニックで行っている。

症例数

無症候性蛋白尿・血尿からネフローゼまでの腎炎、腎障害を伴う膠原病・血管炎、糖尿病性腎症、慢性腎不全、急性腎不全、尿路感染症、電解質異常など内科的腎疾患全般を幅広く診療している

★腎炎、蛋白尿・血尿、膠原病に伴う腎症などに対しては、腎生検の結果に基づき、患者様の生活に配慮しつつ個別の治療を心がけている。蛋白尿を伴うIgA腎症に対しては、ステロイドパルス治療も行う

★保存期慢性腎不全の患者様に対しては、外来での栄養指導に加え、入院での腎臓病食事教室(栄養課)で、降圧を中心とした薬剤治療・生活指導とあわせて透析導入を遅らせるための努力をしている

★血液透析患者様のシャント手術、動脈表在化、グラフト手術は形成外科との協力で行っている。透析導入は1〜2週間程度の入院で行う。CAPDはカテーテル埋め込み術を前もって行っておくSMAP法を採用しており、導入時の入院期間は1週間前後である。血液透析のシャントトラブルに対しては放射線科と協力してインターベンション治療(血管内バルーン拡張や血栓溶解療法)を積極的に行っている

★血漿交換療法や各種免疫吸着療法は、当該疾患の専門科と連携をとりながら施行している。多臓器疾患の重症患者様にも、各専門科とカンファレンスを行い、血液浄化を含む各種治療を行っている

★腎炎、ネフローゼ症候群などに対する腎生検数は年間約30例、年間透析導入患者数は約50-60人。外来通院透析患者数は80人程度で、そのうちCAPDが10数人。

医療設備

血液透析入院7床、外来(腎クリニック)20床。ICU/CCU、MRI、CT、血管撮影室、超音波診断装置など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

泌尿器科

分野

泌尿器科

特色

「全人医療」すなわち「からだとこころとたましいが一体である人間(全人)に、キリストの愛をもって仕える医療」を理念として、高度な先進医療による身体的ないやしのみでなく、精神的、社会的さらには霊的ないやしを目指したチーム医療を行っている。

症例数

年間入院患者数は400~450人、手術件数は約550~600件。外来では尿路造影、超音波、膀胱鏡など必要で可能な検査はなるべく当日に行い、早期の診断と治療の開始に心がけている。またインフォームド・コンセントを大切にし、たとえ悪性腫瘍でもできる限り真実を伝えるようにしている

★尿路結石:体外衝撃波による結石破砕術(ESWL)を年間250例以上施行(1泊入院か外来)

★腎癌・腎盂尿管癌:傷が小さく術後の痛みが少ない腹腔鏡あるいは後腹膜鏡下手術を積極的に施行している

★膀胱癌:膀胱全摘が必要な方には尿路変更術として可能な限り自排尿が可能な新膀胱を造設

★進行癌:痛みなど不快な症状が強い進行癌の方には、当院ホスピスと協力して全人的なケアを行っている

★前立腺肥大症:薬物療法や電気メスによる内視鏡手術(TUR-P)

★女性の尿失禁:薬物治療、尿失禁体操の指導、尿道周囲へのコラーゲン注入、腟前壁縫縮術、TVT手術など多彩なオプションから選択が可能

★男性不妊・ED:精索静脈瘤に対する手術、バイアグラ、レビトラ、シアリスを中心とした薬物治療。

医療設備

ESWL(シーメンス・リソスター・マルチライン)、電気衝撃波砕石装置(EHL)、超音波砕石器、リソクラスト、MRI、DSA、ヘリカルCT、リニアック、核医学検査など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

小児科

分野

小児医療

特色

キリスト教精神に基づいた全人医療を基本理念とし、患者中心の医療を目指している。周産期医療は本邦で初めて血液型不適合に対する新生児の交換輸血を行って以来、当院の大きな柱の一つである。重症新生児、未熟児を扱う大阪の新生児診療相互援助システム(NMCS)の基幹病院として24時間体制で重症新生児の受け入れ、新生児搬送、立ち会い分娩など積極的にかかわっている。また現在、社会的ニーズの高い小児救急医療に対しても休日、夜間を含め1次救急は21時まで、救急車搬送、2次救急については24時間体制で対応しており、大阪市の小児救急の後送施設にもなっている。その他、小児の在宅医療(在宅人工呼吸療法、在宅酸素療法など)、新生児・小児の緩和的ケアを中心とした終末期医療に対しても積極的に取り組んでいる。また、小児科研修指定施設として、周産期専門医の基幹研修施設として小児科専門医、新生児専門医の育成、教育にも取り組んでいる。

症例数

2009年の診療内容は以下の通りである

★外来受診者数は時間内受診20,967人、時間外受診12,290人、救急搬送653人で、最近は時間外受診者数の割合が増加の傾向にある。一般外来、救急外来の他、神経外来ではてんかんやけいれん性疾患、循環器外来では先天性心疾患や川崎病、栄養・内分泌外来では低身長や内分泌疾患、腎外来では腎炎やネフローゼ、発達支援外来では広汎性発達障害、ADHD、LDなどの軽度発達障害、発達フォローアップ外来では主にNICU退院後のハイリスク児の発育発達支援フォロー、アレルギー外来では喘息を中心に呼吸器疾患、アレルギー疾患などを診ている。予防接種外来ではBCG、ポリオを除く各種ワクチンのほか、RSウイルスに対するパリビズマブの接種も行っている

★一般小児病棟の入院数は663人で、疾患別内訳ではクループ・上気道炎37例、気管支炎・細気管支炎・肺炎202例、気管支喘息89例、胃腸炎31例、てんかん・けいれん疾患60 例、川崎病17例、中耳炎14例、尿路感染症19例、扁桃腺炎14例、髄膜炎・脳炎脳症5例、その他であった。一般感染症や小児神経疾患などが中心であるが、急性呼吸不全に対する人工換気療法、重症患者に対する集中管理や外科的処置、脳外科的処置、形成外科的処置も、小児外科、脳外科、形成外科との協力で行っている。また小児の在宅医療サポートも行っている

★未熟児新生児部門の方は入院数391例で、院内出生293例(うち母体搬送45例)、院外出生98例(うち新生児搬送97例)、人工換気症例89例、死亡例4例、超低出生体重児21例(生存例20例)、極低出生体重児39例(生存例39例)であった。未熟児医療が中心であるが、成熟児の種々の呼吸器疾患に対する人工換気療法、重症黄疸に対する交換輸血療法、先天性心疾患の超音波検査による診断(心臓外科治療が必要な場合は専門施設に搬送)、重症仮死児への脳低温療法、種々の先天性奇形に対する小児外科、脳外科、形成外科手術の施行、未熟児網膜症に対するレーザー治療や外科的治療、気道病変に対する気管支ファイバー検査、その他内分泌代謝疾患や先天性感染症などに対応している。また、生命予後不良な重症障害新生児に対して、いのちを慈しむ良き終末医療を目指し医師、看護士、ソーシャルワーカー、チャプレンなどによるチーム医療を実践している。

医療設備

MRI、MRA、CT、リニアック、ガンマカメラ、X線骨密度測定装置、色素レーザー、アルゴンダイレーザー光凝固装置、電子顕微鏡など。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

小児外科

分野

小児外科

特色

淀川キリスト教病院は、創設以来「全人医療whole person healing」を理念に、人が誕生するときの周産期・周生期医療、生命の終焉の際の終末期医療、生命の危機に瀕したときの急性期・救命医療を診療の柱とし、高度であたたかな医療を提供することを目指してきた。小児外科は、診療の柱の一つ、新生児・小児医療の場で、小児科、産科とともに出生前から成長に応じ、チームとしての医療を心がけている。病院の特徴として各診療科の壁がないことに加え、他施設との連携、交流も密であることが、患児中心の医療を提供できる要因となっている。こどもたちの健やかな成長を祈りつつ、避けることのできない手術の傷も心の傷にならないよう最大限の配慮をしている。

症例数

最近3年の年間平均入院症例数は346例で、このうち新生児は32例である。年間手術件数は249件で新生児手術は16件である。新生児の手術疾患は、先天性食道閉鎖、腸閉鎖、横隔膜ヘルニア、消化管穿孔、臍帯ヘルニア、鎖肛、動脈管開存症などで、過去8年間、重症合併奇形を伴わない例での手術死亡はない。その他、鼠径ヘルニア、臍ヘルニア、停留精巣をはじめ、胸部・呼吸器、腹部・消化器疾患・泌尿器疾患など幅広く診療している。鼠径ヘルニア、漏斗胸、食道胃逆流症、ヒルシュスプルング病などには鏡視下手術、低侵襲手術を行い良好な結果を得ている。また、障害を持った児への治療も積極的で、現在約40人の医療的ケアを要する児の在宅支援を行っている

外来診療=月・水・木・土(午前9時30分~12時30分、午後2時~4時30分、水・土は午前のみ)。塩川=月・水(小児便秘外来)・木午前と第4・5土。春本=月・木午後と第1・2・3土。

医療設備

NICU、ICU、MRI、CTほか各種X線装置、超音波、RI、内圧測定装置、内視鏡、NO吸入装置、HFOなど。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

眼科

分野

眼科

特色

米国長老教会の献金をもとに、アメリカ人のブラウン院長により1955年に創立された。現在は独立採算制である。病院全体の「全人医療」という理念のもとに、キリストの愛を持って仕える医療を行っている。眼科でも、眼のみにとらわれないで全身、特に心、できれば魂の治療まで、家族の事を考えながら患者中心の治療に、極力誠実にあたるよう努力している。角膜の重症疾患、眼窩疾患以外の診断、治療に重点を置いている。特に、部長張野の専門とする網膜疾患(糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症)には、最新の治療法、またエビデンス(根拠)のある治療を行っている。大阪市東淀川区を中心に、大阪市北部、北摂地域、兵庫県の開業医の先生との連携を密にするためと知識のアップデートの目的で、年3回の勉強会「YCH眼科ティータイム」を16年間続けている。そのため紹介率は70%以上となり、当院で状態が安定すれば早めに地域の開業医のところで経過観察していただくようなシステムにしている。

症例数

★白内障:手術件数は年約1,000件(2009年)。治療方法の第一選択は、小切開(2.5-3mm)超音波水晶体摘出術+眼内レンズ挿入術。水晶体核が硬い時は無理をせず、傷口は大きくなるが、嚢外水晶体摘出術+眼内レンズ挿入術。成績は、視力(1.0)以上が90%。合併症では、眼内炎0%、緑内障1%以下、予定屈折との違い1%以下、嚢胞様黄斑浮腫1%以下と良好である。日帰り、1泊、もしくは術後3日目に退院を、本人と家族の希望、本人の全身状態、1人住まいかどうかなどにより決定している。手術後2-3日まで経過観察し、以後は地域の開業医の先生に戻っていただいている

★緑内障:点眼治療例は100例以上、手術症例は年約20例。治療の選択は、第一は点眼による眼圧下降、第二はトラベクレクトミーとマイトマイシンC塗布併用という手術方法をとっている

★糖尿病網膜症:増殖網膜症の場合、レーザー光凝固治療が第一治療、牽引性網膜剥離は硝子体手術を早めに行っている。視力に最も影響する黄斑症に対して、ケナコルト注射、レーザー光凝固、硝子体手術を適宜選択している

★網膜剥離:手術しなければ失明する病気であるので、速やかに入院・手術を行っている。50歳以上は硝子体手術と眼内ガス置換、50歳未満は冷凍凝固と強膜バックリングを選択することが多い

★加齢黄斑変性:第一選択はルセンティスもしくはマクジェンの硝子体注射、第二選択は光線力学的療法。光線力学的治療の成績は、視力の改善は約40%、不変40%、悪化20%

★網膜静脈閉塞症:自然回復傾向があるので、まずは内服による保存的治療。数ヶ月見た上で視力(0.5)以下もしくは、改善傾向がなければ、アバスチン硝子体注射、レーザー光凝固もしくは硝子体手術を行う

★硝子体手術症例(特発性黄斑円孔、網膜剥離、網膜上膜などが対象):年約100例、黄斑円孔は90%以上の閉鎖率である。硝子体手術は25ゲージ(0.5mm切開)が、従来の20ゲージ手術(0.9mm)より侵襲が少なく回復が早い。黄斑円孔手術中に眼内にガスを注入し、術後にうつぶせ姿勢をお願いする方法は標準的であるが、不自然な姿勢が大変つらいので、制限をなるべく早く解除している

★未熟児網膜症:第一選択は、レーザー光凝固。Stage 4,5 で硝子体手術を行う

★外来診療:診察予約は、かかりつけ医に、淀川キリスト教病院地域医療センター(0120-364-489)に電話していただきましたら、初診でも予約できます。紹介状のみでも受診可能ですが、11時までにお越し下さい。混雑時には、2-3時間お待ちいただくことがあります。土曜日も診察しております。紹介状をお持ちでない時は、選定療養費3,150円がかかりますので御注意下さい。

医療設備

レーザー光凝固装置、角膜内皮測定装置、非接触眼圧計、屈折測定装置、超音波眼軸測定器、非接触眼軸測定装置(IOLマスター)、網膜電図。ゴールドマン視野計、ハンフリー視野計。光干渉断層計。手術装置:超音波水晶体摘出装置2台。硝子体切除装置2台。手術用顕微鏡2台。手術機械はトラブルに備えて、常にバックアップを用意している。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

皮膚科

分野

皮膚科

特色

薬疹、蕁麻疹ほか、アレルギー疾患の原因検索と治療が中心。その他、皮膚科全般の治療を行う。アトピー性皮膚炎については、ストレスや生き方の問題を重視して情報整理を行い、医師が主導権を握るのではなく、患者さんと協力して治療を進めていく立場をとる。ステロイドの使用については、患者さんに、その功罪を十分理解していただいた上で、患者さん自身に方針を選択していただく。基本的に使用したくない患者さんには使用しない。

症例数

1日外来患者数70~100人。入院患者数6~12人。生検数、週に3~4件。ナローバンドUVB照射1日20人程度

★皮膚外科は基本的に当院形成外科が担当しているが、診断確定のための生検や、液体窒素凍結療法、電気焼却術などの処置は外来にて行っている。皮膚腫瘍など、生検にて確定した後に形成外科への紹介、手術を要しない熱傷や外傷、皮膚潰瘍の処置なども施行している

★アレルギー疾患、特に薬疹については、パッチテストやスクラッチテストなどの比較的簡単な検査から、患者さんの同意のもとに、再投与試験なども施行して可能な限り原因の追究に努める

★アトピー性皮膚炎は、治療について患者さんの納得・同意のもとに、協同作業として実施していく。ステロイドの漸減離脱、入院による離脱、ステロイドオフによる自己コントロールなどが主体だが、基本は患者さん自身の自己努力による生活改善。医者はそのサポートをするという立場をとる。

医療設備

ナローバンドUVB、UVA/UVB照射装置、サージトロン(電気メス)、イオントフォレーシス、液体窒素。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

麻酔科ペインクリニック

分野

ペインクリニック

特色

開設して15年以上、帯状疱疹、整形外科疾患の痛みその他にペインクリニック学会認定医として対処してきた。一般的な投薬に加えてトリガーポイントブロック、硬膜外ブロック、星状神経節ブロック等を外来治療として主に行っている。また、治療相談だけでも可能である。

症例数

週半日の外来対応のみであるが、1回の外来で平均7~8人の外来患者を診ている。院内だけでなく、近隣の医療機関からも紹介されてくる

★皮膚科疾患による痛みと整形外科疾患による痛みを主に治療している。その他、筋緊張型頭痛はじめ三叉神経痛や突発性難聴、顔面神経麻痺等の特殊な疾患や、他の医療機関で治療に難渋している種々の神経痛にも対処している。実際に当院で治療を行わずに、治療方針の相談だけを行うこともある。発症後間もない帯状疱疹の痛み、帯状疱疹後神経痛等の患者様に対しては、皮膚科と連携しながら内服薬と神経ブロックを用いた治療を行っている。また整形外科の疾患としては頸肩腕症候群や上肢の痛み、腰下肢痛等の痛みを主に治療している。いずれも外来治療でできる範囲内で行っている

★総合病院なので必要時は皮膚科医、整形外科医だけでなくあらゆる病院内の医療スタッフに診療協力を依頼して、全人医療的に患者様に対処できるのが強みである。ペインクリニックとしての入院治療はスタッフ数の関係から行っていないが、必要となれば、近隣の入院施設のある大学病院等に随時紹介を行っている。また、週半日の治療しかできないことを補うために、近隣のペインクリニックにも随時紹介してお互いに助け合う状況を作っている。

「医者がすすめる専門病院 大阪・奈良」(ライフ企画 2011年5月)

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