関節リウマチと歯周病の関連が明らかに?
[ニュース・トピックス] 2013年10月23日 [水]
歯周病菌が関節リウマチに影響
日本で関節リウマチに悩む患者さんは総人口の1%程度いると言われており、高齢者の患者さんも増えているそうです。特に女性の患者さんが多く、30歳から60歳くらいで症状が出てくる人が大半だとのこと。この病気は自己免疫疾患の1つで、患者さんの免疫システムが正常に働かないことによって起こります。
ところで、関節リウマチの患者さんは歯周病にかかっている人が多く、これまで専門家の間では2つの病気には関連があるのではないかと言われてきました。2013年9月にPLoS Pathogensに発表された内容によると、関節リウマチのリスク要因となる歯周病の原因菌とその働きが明らかになったそうです。
特定の歯周病菌が作り出す酵素が原因
研究グループは、歯周病の原因菌の1つであるP.gingivalisという細菌についてマウスを使った実験を行いました。その結果、P.gingivalisに感染したマウスでは、関節リウマチの発症率が高く、関節リウマチの進行も早くなることがわかりました。
P.gingivalisが増えると、PADという特定の酵素が作られるようになります。PADはある種のタンパク質に作用して、免疫システムの正常な働きを妨げ、その結果、関節リウマチを進行させてしまうそうです。研究グループでは、P.gingivalis以外の歯周病の原因菌についても同様の働きをするか調べましたが、PADは作り出されなかったとのことです。
研究グループは、今後、この特定の歯周病の原因菌に働きかける治療が確立されることで、関節リウマチの患者さんにもメリットが及ぶだろうと述べています。
歯周病は、骨粗しょう症や関節リウマチ以外の関節炎などにも関係があると言われています。お口の健康にもしっかりと気を配ることが大切ですね。(唐土ミツル)