ロコモ、サルコペニア、フレイル・・・それぞれの意味、ご存知ですか?

[ニュース・トピックス] 2014年7月09日 [水]

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どれも要介護状態を引き起こす可能性大?

(この画像はイメージです)

 最近、その名が浸透してきた「ロコモティブシンドローム(=ロコモ)」。これと似た概念に「サルコペニア」があります。さらに先月、「フレイル」という新たな概念が日本老年医学会によって提唱されました。この3つの概念は、それぞれ似通った体の状態が含まれています。今回は、それぞれの言葉についてまとめてご紹介いたします。

ロコモティブシンドローム

筋肉や骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器の障害によって移動機能の低下をきたして、要介護になったり、要介護になる危険の高い状態になったりすることを「ロコモティブシンドローム(和名:運動器症候群)」といいます。この概念は2007年、日本整形外科学会が超高齢社会を迎えた日本の未来を見据え、提唱したものです。

サルコペニア

1989年にIrwin Rosenberg氏によって提唱された概念です。加齢に伴って筋肉が減少する病態で、握力や歩行速度の低下など、機能的な側面も含まれています。サルコペニアが進行すると転倒、活動度低下が生じやすくなり、要介護状態につながる可能性が高くなります。

フレイル

高齢期に生理的予備能(日常生活で必要な能力と、運動時などに必要となる能力の最大値の差)が低下することにより、ストレスに対する脆弱性が増し、機能障害、要介護状態、死亡などに陥りやすい状態のことです。身体的な問題だけでなく、認知機能障害やうつといった精神・心理的問題、独居や経済的困窮などの社会的問題も含む概念で、その定義や診断基準については、まだ総意が得られていない状態です。

 それぞれの言葉をさらに要約すると、「ロコモ=骨や関節、筋肉といった運動器の衰え」、「サルコペニア=筋肉の衰え」、「フレイル=運動能力だけでなく心も含めた心身の衰え」といったところでしょうか。いずれにせよ、これらの症状がみられた場合、何らかの対策を取らないと介護が必要な状態へと陥ってしまう可能性が高くなります。そうならないために、日ごろから簡単な運動を行うなど、積極的に予防策を講じたいものですね。(QLife痛み編集部)

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