「女性の方が痛みに強い」という通説は正しくない?

[ニュース・トピックス] 2014年10月08日 [水]

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痛みに対する耐性、性別による差は認められず

(この画像はイメージです)

 女性の方が男性より痛みに強い・・・こんな通説を聞いたことはありませんか。確かに女性は生理や出産など男性に無い痛みを経験することから、このような考えが浸透しているのかもしれません。しかし、スペインのマラガ大学から、痛みに対する感受性に性別による差は認められず、あくまでも個人差によるもの、という研究結果が発表されました。
 この研究は、背中(脊椎)に慢性的な痛みのある患者さん400人を対象に行われ、痛みの強さや、体がどれくらい動くかなどが質問されました。その結果、男女の間に差は認められず、個々人が持つ“回復力”の差であると結論付けられたのです。この回復力とは、痛みに対する耐性や適応能力のことを指しています。いわゆる「痛みに強い人」ということです。

“恐れ”が強いと痛みは強くなる

 唯一、性別による違いが見られたのは、痛みに対する「恐怖」によるものでした。今回の研究では、痛みに対して恐怖を覚えた患者さんは不安やうつ症状が多くなることがわかりました。そして男性では、この恐怖が痛みの強さに関係していましたが、女性ではそのような傾向は認められなかったとのことです。
 確かに痛みに対する恐怖は、一度経験してしまうとなかなか払拭できないものです。しかし、痛みを恐れて動きを制限してしまったり、患部をかばう動き方をしてしまったりすると、ほかの部位に悪影響を及ぼすことがあります。痛みを極度に恐れるのではなく、適切な治療をしながら痛みの緩和と機能の改善を目指しましょう。(QLife痛み編集部)

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