痛みの専門医とかかりつけなどの一般医の間では、薬の処方に違いが
[ニュース・トピックス] 2013年8月13日 [火]
痛みを訴える人の45%が一般医を受診
アメリカで行われた調査で、痛みの専門医と、町の診療所など一般のかかりつけの医師では、慢性的な痛みに対する薬の処方に違いがあることが分かりました。
調査は、痛みを訴えて医療機関を受診した、18歳以上の690万人について行われました。慢性の痛みを訴えて受診する人は、一般外来全体の13%にあたります。このうち、45%が、家庭医など痛みの専門医ではない医師を訪ねていました。
また、痛みの専門医以外では、97~99%もの医師が、非ステロイド系鎮痛薬(NSAIDs)を処方していました。そして、他の種類の薬を組み合わせていないケースが3割弱だとされています。処方された薬をみてみると、軽い痛み止めを処方されたケースはわずかで、軽い薬では効かないレベルになってから受診する人が多いことを示しています。
痛みの受診は整形外科などの専門医がおすすめ
痛みの治療の基本になる慢性疼痛ガイドラインでは、何種類かの薬を組み合わせる、薬物併用療法という方法が良く効くとしていますが、実際の処方の状況を見ると、痛みの専門医でない場合、第一ステップとして非ステロイド系鎮痛剤を処方した後、痛みを見直しながら別の薬を組み合わせていくという方法が十分に広まっていないのではないかと指摘しています。また、一般医にかかる人の割合の高さからも、痛みの専門医やペインクリニックは、まだ需要を満たしていないことを指摘しています。
慢性の痛みについては、整形外科やペインクリニックなどの痛みの専門医を訪ねた方が、満足出来る結果が得られるのではないでしょうか。薬を飲んでいるけれども、今ひとつ効果に満足出来ない人は、痛みの専門医を受診してみると良いようです。(唐土ミツル)