加齢によって発症する頸椎症性神経根症 その病状と治療法とは

[ニュース・トピックス] 2013年11月28日 [木]

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THE BOOM・宮沢和史さんも発症

(この画像はイメージです)

 11月7日、ロックバンドTHE BOOMのボーカル・宮沢和史さんが頸椎症性神経根症と診断され、11月から4カ月間、歌手活動を休止することを発表しました。宮沢さんは数年前から首の痛みに悩まされていたと言い、ここ数か月の間で症状が悪化したため、あらためて専門医のもとで精密検査を受けたところ、この病気が発覚したそうです。では、この頸椎症性神経根症とはどのような病気なのでしょうか。
 人間の頸椎には、頭や両腕の重みによって寝ている時以外は大きな負担がかかっています。こうした負担に耐えている頸椎が次第に傷み、変形性変化を起こします。この状態を、変形性頸椎症と言います。頸椎が変形性変化を起こすこと自体は、加齢によって起こる自然な変化です。しかし、これにより発症するのが頸椎症性神経根症。変形性頸椎症に伴い、張り出した椎間板や骨棘、肥厚した黄色靭帯によって、神経根(脊髄からでる神経の枝)が圧迫され、肩から手にかけて痛みが出る、手がしびれたり知覚が鈍くなる、手の力が入りにくくなるといった症状が現れます。ちなみに、脊髄が圧迫される場合は、頸椎症性脊髄症という別の病気とされ、進行すると手足の知覚が鈍くなったり、ふらついて歩けなくなったり、膀胱の障害が現れることもあります。

多くの場合は保存療法で改善

 神経根症の治療の1つ、頭を引っ張ることで首の負担を減らす牽引は、神経根の出口である椎間孔を広くする効果があり、症状の改善につながるそうです。また、頸椎カラーで頸部の安静を保つことも有効。症状が強い場合、手術を行うこともありますが、多くは保存療法で改善を目指します。
 幸い、宮沢さんは、当初予定していた手術を見送り、自然治癒力での回復を期待し、リハビリなどを行うとのことです。首に違和感を覚えたら、早めに専門医にかかり、手術が必要なほど重症化しないよう心がけましょう。(QLife痛み編集部)

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