ミカンで骨が強くなる!?中高年女性の骨粗しょう症予防にミカンが効果的と判明

[ニュース・トピックス] 2014年1月22日 [水]

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ミカンを黄色くする色素が骨密度の低下を予防

(この画像はイメージです)

 高齢化に伴い、年々患者数が増加しているといわれる「骨粗しょう症」。男性にもみられる病気ですが、女性患者の方が圧倒的に多く、その数は約3倍ともいわれています。
 これは、女性ホルモンの分泌量減少と骨密度の低下とが密接に関係しているからであり、そのため、ホルモン分泌量が急減する閉経後の女性に骨粗しょう症患者が多いのです。
 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所と国立大学法人 浜松医科大学は、ウンシュウミカンに特徴的に多く含まれているカロテノイド色素「β-クリプトキサンチン」の血中濃度が高い閉経後の女性は、低い人に比べて骨粗しょう症の発症リスクがおよそ92%低いことを発見しました。ウンシュウミカンを摂取することが、骨粗しょう症の発症予防につながるのではと期待されています。

β-クリプトキサンチンは閉経女性の骨粗しょう症予防に有効

 同研究では、調査対象となる閉経女性をβ-クリプトキサンチン血中濃度の高さで3グループに分け、各グループでの骨粗しょう症発症率を解析しました。
 その結果、高濃度のグループにおける発症リスクは、低濃度のグループを1.0とした場合0.08となり、β-クリプトキサンチンの血中濃度が高いほど発症リスクが少ないことがわかりました。更に、4年後に追跡調査を行ったところ、4年の間に新たに骨低下症及び骨粗しょう症を発症した被験者では、骨密度が低下した人ほど、調査開始時の血中β-クリプトキサンチン濃度が低かったことも判明しました。
 一方で、今回の調査でβ-クリプトキサンチンと閉経女性の骨粗しょう症発症リスク低減との関連は認められましたが、男性や閉経前の女性においては、このような関連はみられなかったとのことです。
 骨粗しょう症のリスク低減効果を期待するなら、1日およそ4個のウンシュウミカン摂取が望ましいそうです。また、冬の間に沢山食べておくと、血中のβ-クリプトキサンチン濃度が高まって、夏にミカンを食べられなくても骨粗しょう症の予防効果が期待できるとのこと。研究が更に進み、β-クリプトキサンチンが骨粗しょう症を抑制する仕組みが解明されれば、もっと効率の良い予防・治療法が発見されるかもしれません。今後の進展に期待したいものです。(そねゆうこ)

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