がん患者が抱える痛みの原因は、がんそのものだけじゃない
[ニュース・トピックス] 2014年7月16日 [水]
がんの痛みはとれるんです
日本人の2人に1人ががんになる時代です。がん患者さんはかつてがんによる激しい痛みに苦しめられた時代がありましたが、現在は、適切な薬の使用により80%以上の痛みを緩和できることが証明される時代になりました。
しかし未だに患者さん本人はもちろん、家族の方も「がんの痛み」に対する恐怖を漫然と抱いているようです。薬物療法の誤解や迷信により適切な治療を受けられていないことも多いといわれています。
日本緩和医療学会が初めて患者向けに編集した「患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド(金原出版)」の発行を機に、緩和ケアとがん疼痛治療の最新情報に関するプレスセミナーが6月24日に開催されました。弘前大学医学部附属病院麻酔科緩和ケア診療室の佐藤哲観氏により「がんの痛みはとれるんです!」と題してがん患者さんの抱える疼痛治療の現状が語られました。
原因に関わらず、痛みはすべて治療の対象
がん患者さんが抱える痛みの原因は、がんそのものによるがん疼痛だけではありません。手術や化学療法、放射線による副作用の痛み、寝たきりによる床ずれ、筋肉や関節が硬くなるために起こる痛み、神経痛や関節痛などの持病による痛みなど多岐にわたります。
がんによる痛みの特徴は、早期から痛みを感じ大多数が痛みを経験することです。また痛みの度合いも強く耐え難いもので、持続する痛みや突発する痛みなどもあります。からだ全体に現れるのも特徴です。
こうした痛みは、適切な疼痛治療によって緩和できます。日本緩和医療学会は、痛みに対する緩和ケアを患者さんにいつでも受けてもらえるような環境作りが必要だとしています。(QLife痛み編集部)