あなたは転びやすい?転倒危険度を計測するシステムが登場

[ニュース・トピックス] 2014年12月26日 [金]

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転倒要因の1つ「二重課題処理能力」の低下

(画像はプレスリリースより)

 要介護となる主要な要因である高齢者の転倒事故。これまで、高齢者が転倒するのは、筋力低下など運動機能の低下が主な原因と考えられていました。
 しかし近年、高齢者の転倒は運動機能の低下だけでなく、「二重課題処理能力」の低下が深く関わっているとの考え方が広まっています。これは「考えながら歩く」「話しながら手を動かす」などの2つのことを同時に行う能力のこと。高齢者は、この二重課題処理能力が低下することで転倒しやすくなるといわれています。
 そこで京都大学の青山朋樹准教授らの研究グループは、定量的に二重課題処理能力を測定することで、転倒発生リスクを評価し、転倒予防の意識啓発を促す計測システムを考案しました。

2つの課題で運動器の機能を測定

 被測定者は、PC画面に表示される「前後・左右」いずれかの方向を示す矢印の向きに合わせ、両足を移動するという課題と、表示される矢印と逆の方向に移動する課題を行います。2つの課題での正答率と反応時間を元に、運動器の機能を測定することで、転倒リスクの評価結果のレポートが出力されます。
 この機器は、村田機械株式会社が製品化し、グループ会社の株式会社日本シューターが「STEP+(ステッププラス)」という名前で、2014年12月から全国の医療・介護施設などで販売予定とのことです。転倒予防への取り組みが注目されている昨今、ステッププラスによる計測が、転倒リスクの客観的な評価につながることが期待されます。(QLife痛み編集部)

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