腰痛や膝の痛みが労働生産性に大きな影響を与えている

[ニュース・トピックス] 2013年7月26日 [金]

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日本では痛みを抱えて働く人たちがまだまだ多い

(この画像はイメージです)

 腰痛や膝の痛みなど、慢性の筋肉や骨格に関する痛みを、筋骨格系障害(MSD)と呼びます。このMSDのために、仕事に影響が出る人がたくさんいます。ある調査では、30歳以上の約4分の1が腰痛を、1割以上が膝の痛みを抱えていました。痛みがあるのに、働くということは、本人や、その人が属する組織の能率を下げてしまうことが多いものです。このため、仕事を持っている人たちの痛みを取り除くことは、本人が楽になるだけではなく、社会や経済にも大きな影響を及ぼすものなのです。この現状について、在日米国商工会議所が医療政策白書2013年度版の中で、「筋骨格系障害への早期治療介入による健康増進と労働生産性の維持」と題する政策提言を発表しました。

社会全体での痛み対策が必要

 2010年版の「リウマチ白書」によると、リウマチにかかっている約3400人のうち、「職場に理解があり、楽な仕事に変わった」と回答した人が8.6%であるのに対し、退職、休職した人と、就職を断念した人をあわせると半数以上に達しており、日本は痛みを抱えた人にとってはまだまだ働きにくい社会であることがうかがわれます。実際、「仕事を続けている(いた)が、身体的苦痛、周囲の無理解に悩む」と回答した人が4分の1いました。
 今回の提言では、痛みがあったときに、早くに受診して原因を突き止め、症状が軽いうちに治療開始することはもちろん、産業医が職場で働く上で、痛みが障害となるかを把握し、勤務時間や勤務場所の調整などを行うことが理想的だとしています。このような働きかけにより、働く人は痛みから解放されて安心して仕事に専念することができ、社会としては痛みに伴う直接的、間接的なロスを減らすことができるとしています。


 痛みをきちんと理解出来る社会が、早く実現し、「身体的苦痛、周囲の無理解に悩む」と感じている人たちが、この悩みから解放されると良いですね。(唐土ミツル)

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