関節リウマチの腫れや痛みは気圧と相関することが明らかに

[ニュース・トピックス] 2014年2月20日 [木]

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よく聞く「雨で傷が痛む」は本当!?

(この画像はイメージです)

 「古傷が痛むと雨が降る」なんて言葉を耳にしたことはありませんか?もしくは、実際に怪我をしている時などに、雨の日に傷が痛む経験を自分自身でされた方もいらっしゃるかもしれません。
 このように、気候の変化によってひどくなる痛みのことを“天気痛”と呼びます。この天気痛は、とくに関節リウマチの方に多くみられる症状だといわれており、リウマチ患者さんの間では「天気が悪くなるとリウマチも悪くなる」とか「リウマチの痛みが悪化することで、これから天気が悪くなるのがわかる」などといった実感があることは、昔からよく知られていました。
 しかし、このようなリウマチの痛みと天候の相関を統計学的に解析調査した研究は、これまでありませんでした。

天候の変化による痛みや腫れには“気圧”が関係していたと判明

 そこで、京都大学の寺尾知可史 医学研究科附属ゲノム医学センター特定助教と橋本求 医学部附属病院リウマチセンター特定助教を中心とする研究グループは、2万件を超えるリウマチ患者さんの臨床データと気象データ(気圧・気温・湿度)を用いて、両者の間に相関がみられるかを解析調査しました。
 その結果、リウマチ患者さんの関節の腫れや痛みは“気圧が低いほど悪化する”ことが判明。湿度も腫れや痛みと相関していましたが、気圧は湿度と気温の影響を加味しても相関が確認でき、そして気温と腫れや痛みの間には関連がみられないことがわかりました。また、血液の炎症との相関はみられなかったため、天候による腫れや痛みは、関節リウマチの病気の進行自体を大きく左右するには至らないだろうと結論づけられました。
 気圧とリウマチの痛みや腫れの相関を統計学的に明らかにしたのは、この研究が世界初だそうです。さらに研究が進むことで原因が解明され、天気痛に煩わされること自体が無くなれば「昔は雨が降ると傷が痛んだものだ」なんて、笑い話になる日が来るかもしれませんね。(そねゆうこ)

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