関節リウマチ患者さんにも運動療法が好ましい?
[ニュース・トピックス] 2014年11月14日 [金]
体を動かした方が良いという新たな考え方
最近、腰痛や変形性膝関節症の患者さんは、じっとしているよりも適度な運動を行った方がよい、という研究結果が多数報告されています。これらの報告は、じっと安静にして、薬などで痛みをとることが良いとされてきた、これまでの治療の常識を覆すものと言えます。
そして今回、関節リウマチの患者さんも、薬だけで治療を行うよりも運動療法を加えた方が回復の度合いが高くなったという研究報告が、イギリス・オックスフォード大学らからなる研究チームから寄せられました。
運動療法を追加すると改善度アップ
この研究の対象となったのは、3か月以上にわたって薬物治療を受けており、手に痛みと機能障害を持つ490人の関節リウマチ患者さんたち。通常の薬物治療を行うグループと、通常の薬物治療に特別に作られた運動療法を加えたグループを比較し、12か月後にどのくらい機能が改善したのか比べました。
12か月後、Michigan Hand Outcomes Questionnaire(MHQ)という評価方法でそれぞれのグループを比較したところ、通常グループが3.6ポイントの改善だったのに対し、運動療法を追加したグループでは、7.9ポイントの改善と、4.3ポイントの差が認められたのです。
ただし、痛みがあるのに無理に動かしすぎたり、いきなり薬をやめて運動療法だけにしてしまうと、かえって逆効果の場合もあります。このような新たな治療法に挑戦したいと思った方は、主治医とよく相談してから始めるようにしましょう。(QLife痛み編集部)