[これからの花粉症治療] 2014/02/25[火]

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 日本人の5人に1人が悩まされていると言われている花粉症。春が近づくと共に憂うつな気持ちになる人も少なくないでしょう。花粉症にかかる人の数は年々増えており、今や国民病と言っても過言ではないくらい、日本の春においてはしっかりとした対策が求められる疾患ともいえます。みなさんは、花粉症のお薬選びで後悔したことはありませんか?眠気に襲われてしまったり、ピーク時に新たな症状が出てきたりなどなど。そこで、花粉症の本格シーズン入りに先駆けて、花粉症の専門医 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 耳鼻咽喉・頭頸部外科学 准教授 岡野光博先生にお話を伺いました。

飛散初期の症状ばかり気にしていると、ピーク時は大変なことに!?

 最も多くの人が悩まされているのがスギ花粉とヒノキ花粉です。スギ花粉はだいたい2月の半ば頃から飛散し、3月にピークを迎えます。ヒノキ花粉はスギ花粉からやや遅れて飛散開始~ピークを迎え、ゴールデンウィーク頃まで続きます。
 くしゃみ、鼻水、鼻づまりが花粉症の3大症状。鼻がむずむずし出す初期の症状から始まり、それぞれ個人差はあるものの、全ての症状が必ず起こると言われています。しかし、花粉症の初期はくしゃみと鼻水に悩まされる人が多く、お薬もそのふたつの症状を緩和するものを選んでしまいがちです。すると鼻づまりなどピーク時に症状が残ったり、なかなかスッキリしないという経験をした人も多いのではないでしょうか。
 「花粉症で受診される方の多くが、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの3つの症状を訴えられます。花粉症の症状のタイプにより、適切な薬剤があります。最近は、3つの症状に効果のあるお薬も登場しています」(岡野先生)

花粉の飛散量と症状の関係

まずは「昨年のピーク時、どんな症状があったか」を思い出してみましょう

 花粉症の症状が見られる場合は、医療機関を受診することが大切です。現在医療機関でできる花粉症の治療には、内服薬や点鼻薬、点眼薬、手術などの方法がありますが、もっともポピュラーなのが内服薬での治療。
 「毎年同じ薬を飲んでいるけど、どうも症状が残る」と感じている方も多いのではないでしょうか。眠くなる・ならないを含めて、現在はさまざまな種類のお薬が登場しています。「毎年飲んでいるから」という理由で選ぶよりも、自分の症状にあったお薬を処方してもらうことで、ピーク時の辛い症状を緩和することができます。
 その時に大事なのが、自分自身の花粉症の症状を把握するということ。初期はむずむず、くしゃみが続くけれども、ピーク時には鼻づまりがひどく、寝られないことがあった、また起床後すぐに起こるくしゃみが初期からずっとひどい……など、初期だけでなくピーク時、末期の症状まで把握し、昨シーズン服用していたお薬ではどんな症状が抑えられて、どの症状が抑えられなかったかを一度振り返り、それを医師に伝えることが大切になります。
 「飛散開始から数日の間に花粉の飛散量は飛躍的に増加し、あっという間にピークを迎えてしまいます。多くの方はピーク前に受診されると思いますが、その時に例年のピーク時に何の症状で悩んでいたか、積極的に伝えていただきたいですね」(岡野先生)

以前のピーク時にどんな症状があったかを思い出してみよう

くしゃみ・鼻水・鼻づまりの三大症状を全てカバーする新しいお薬も

 理想的な「花粉症のお薬選び」は、花粉の飛散量に合わせて、初期&末期、ピーク時で飲むお薬の種類や数を使い分けることが大切なのですが、日々の忙しさから医療機関への受診もなかなかできずに、初期から同じ薬を飲み続けてピーク時の症状が緩和されないということも。そんな忙しい患者さんには、眠くならないことはもちろん、個別の症状が気になる初期や末期、そしてくしゃみ、鼻水、鼻づまりと全ての症状が強くでるピーク時も、全てをカバーできる配合剤が登場しています。これならば、ピーク時の強い症状も緩和してくれるお薬を初期から飲むことで、辛いシーズンを快適に過ごすことができます。
 「OTC医薬品などを薬局で購入したものの、症状が改善されずに受診される方もいらっしゃいます。忙しい方こそ、何とか時間を作っていただいて、医療機関を受診していただきたいですね」(岡野先生)
 気になる方は、まずは自分がどのような症状で困っているかシーズン全体の症状を把握し、医療機関へ相談をしましょう。

岡野光博(おかの・みつひろ)先生

岡野光博先生

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 耳鼻咽喉・頭頸部外科学 准教授
1989年3月 香川医科大学 卒業
1993年 岡山大学大学院医学研究科修了
1995年 米国ハーバード大学公衆衛生学部免疫感染症学講座客員研究員
1998年 岡山大学医学部附属病院助手
講師、助教授を経て2007年より現職。
日本耳鼻咽喉科学会(代議員、英文誌編集委員、専門医認定試験委員、専門医)、日本アレルギー学会(代議員、学会誌編集委員、倫理委員会委員、指導医)、日本鼻科学会(幹事、学会誌編集委員)、日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会(幹事、学術委員会委員)、日本耳科学会、日本口腔咽頭科学会、日本免疫学会、日本花粉学会など

これからの花粉症治療 記事一覧

  1. そのお薬は、あなたの症状を“全部”抑えることができていますか?
  2. 花粉症治療薬、患者さんが求めるのは「眠くならない」+「効果が強い」

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