睡眠不足は痛みの大敵
[ニュース・トピックス] 2013年8月29日 [木]
睡眠不足と痛みの感じ方に関連性?
「睡眠不足は、健康に良くない」というのは一般の認識です。そのため、睡眠不足は様々な健康上の問題に関連していると言われています。
例えば、免疫機能が低下する、疲れやすくなる、気分が優れない、集中力が落ちるなどは、科学的な検証がなくとも実感している人が多いのではないでしょうか。
これまで専門家の間では、睡眠不足と痛みの感じ方には、何らかの関連性があるのではないかと推測されてきました。この仮説を検証するため、リウマチによる関節の痛みに悩む患者さんを対象に、アメリカで調査が行われ、その結果が2011年に報告されました。
睡眠不足の翌朝は、痛みが強くなる
対象となったのは、関節リウマチの患者さん27人と、健康な人27人の計54人。調査施設へ4日間宿泊してもらい、「寝入ってすぐに起こされる」、「明け方に一度起こされる」など、いつもと異なる睡眠のパターンをとった翌朝、気分や痛みに変化があるかどうかを調べました。
その結果、関節リウマチの患者さんでは、ぐっすり眠ることができた翌日に比べると、途中で起こされるなど、睡眠に障害があった翌朝に、痛みを強く感じていることが分かりました。この調査は、睡眠と関節リウマチの痛みの関係を実証した、初めての報告となりました。
痛みによって眠りが妨げられると、更に痛みを強く感じるという悪循環に陥ることも考えられます。病院で痛み止めの処方などを受けるときには、痛みによって睡眠の質が低下しないことも考慮してもらうと良いでしょう。(唐土ミツル)