再発予防はきちんとした治療を続けること

[関節リウマチと生活] 2014年12月09日 [火]

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薬の種類や副作用についての正しい知識をもちましょう

 関節リウマチの治療をもっとも効果的に行う最大のポイントは、早期から治療を始めて、最後まで続けること。そのためには、患者さん自身も、関節リウマチで使われる薬の種類や特徴、副作用などについて正しく理解をしておくことが大切です。

 抗リウマチ薬は効き始めるまでに時間がかかるのが特徴です。効くまでの間、不安になって、ほかの病院に移りたくなったり、治療をやめたくなったりすることもあると思いますが、きちんと薬を服用し続けることが、症状を改善するいちばんの近道です。それでも不安が強いときは、主治医に相談したり、ほかに適切な治療法がないか、セカンドオピニオンをとることも考えられます。同じ医師に継続して治療を受けることは、病気の経過を見守ってきた蓄積による正しい診断を得られることですから、あまり転々と病院を変えるのは医師の側からみると望ましくないのですが、患者さんが十分に納得して治療を続けることが大切です。根拠のない民間療法に頼って、医師の診断に基づく治療を中断してしまうことだけは避けてください。

 また、関節リウマチで使われる抗リウマチ薬、非ステロイド抗炎症薬、ステロイド薬は、副作用がおこりやすい薬です。自分が飲んでいる薬でよくおこる副作用について、聞いておくことも大切です。

きちんと薬を服用し続けることが症状改善の近道

きちんと薬を服用し続けることが症状改善の近道

関節リウマチの治療の流れを理解しましょう

 関節リウマチでは、薬を飲むだけでよい場合もあれば、ほかの治療を組み合わせる場合もあり、治療の後半ではリハビリテーションも必要になります。基本的には、「薬物療法」を中心として、「ふだんのケア(生活指導・基礎的治療など)」、「リハビリテーション」、「手術療法」の3本柱で補う、この全体像を把握しておくことが大切です。

 自宅で行ったほうがいいケアや生活上の注意点はなにか、リハビリテーションではどういうことを行うのか、どの段階になったらどんな手術が必要になるのかなど、随時、不安に思うことは主治医に確認して、実践していくようにしましょう。

治療の全体像を理解しましょう

治療の全体像を理解しましょう

関節リウマチは長くつきあう病気です

 関節リウマチなどの膠原病(こうげんびょう)では治療の目標は「寛解(かんかい)」です。寛解は治癒(ちゆ)とはちょっとニュアンスが違います。治癒は病気がよくなる、治ることをいい、それ以上の治療を必要としない状態を指しますが、寛解とは病気が治ったとはいえないが、検査の数値が正常化し、症状が現れなくなるという状態を指します。

 寛解の状態が続けば、関節破壊は抑えられるので、ふつうの人と同じような生活を送ることができます。

 ただし、寛解を維持するためには、数値が正常化し、症状がなくなったあとも治療を続けることが必要です。もう症状がないからといって薬をやめてしまうと、症状がぶり返す(再燃)ことがあるからです。また同じ抗リウマチ薬を使った治療をしていても、あるときから薬が効かなくなる「エスケープ現象」がおこる場合があるので、定期的に通院して、検査を受けるようにしましょう。

 関節リウマチでは「治す」のではなく、病気と「うまくつきあっていく」ことが大切なのです。その意味で、ふだんどおりの生活ができる寛解状態の期間中でも再発予防が重要になります。

(正しい治療がわかる本 関節リウマチ 平成20年1月25日初版発行)

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