日常の動作を助ける自助具を使いましょう

[関節リウマチと生活] 2015年1月06日 [火]

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自助具をうまく使いましょう

 自助具とは、日常生活で不便になった作業を、介助なしに自分でこなせるようにするための道具のことです。関節リウマチでは、関節が変形したり、痛みが激しいなど体調が悪かったりして、立つ、座る、衣類を着る、脱ぐ、ドアノブを回す、食事をするなどの日常生活が思うようにいかないことがあります。そういうときは自助具をうまく利用するとよいでしょう。

 ひじやひざを曲げたり、指を曲げたりする動作をしなくても、自助具を用いて目的を果たすことができます。たとえば、ドアノブや水道の蛇口に取りつけるゴム製の自助具や、握らなくても飲めるコップ、スプーン、上がらない腕でも背中が洗える柄(え)の長い洗体ブラシや整髪用の長柄ブラシなど、実にさまざまな自助具があります。自分に合うもの、合わないものがあるので一概にはいえませんが、いろいろと試してみるといいでしょう。

 リハビリテーションでは病院にいる作業療法士(日常生活が困難になった人に対し、作業や自助具、装具を通じて機能の回復を行う専門職。筋力増強訓練や日常生活動作訓練を行う)が、自助具などの扱いについても指導してくれます。通院している病院に作業療法士がいれば、生活上の不便を相談して自分に必要な自助具はどういうものかを選ぶポイントについて、聞いてみるといいでしょう。

おもな自助具

おもな自助具

ちょっとした工夫で生活の質を高めることができます

 自助具はすでに製品になっているものもありますが、自分でつくれるものも少なくありません。使い慣れた道具にひと工夫して、使いにくい部分を取り除いたり、改良したりしてまた使えるようにすれば、工夫する楽しさもありますし、新しいものに慣れる必要もありません。

 たとえば、包丁がうまく持てないときは、柄の部分をタオルで巻いて太くすると握りやすくなりますし、靴下を履くときは少し高めの台を用意すると履きやすくなります。このように、ちょっとした工夫で暮らしやすくなります。

 また、歩きにくくなって車いすを利用するようになったら、わが家の造りを見直す必要も出てきます。最初からバリアフリーの空間になっている住宅でも、家のまわりのちょっとした段差などをなくすなどの、見直しを迫られることがあります。低い位置に取っ手をつけたり、階段に昇降いすなどを取りつけたり、風呂場で転倒などの事故がおこらないようにするなどのリフォームも必要になってきます。

 そうした相談についても、作業療法士をはじめ、福祉住環境コーディネーター(医療・福祉・建築の面から住環境の改善を行う専門職)などが協力してくれると思います。

(正しい治療がわかる本 関節リウマチ 平成20年1月25日初版発行)

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