肩の治療は時間がかかりがち、痛みと気長に付き合うつもりで治療を
[中国・四国] 2013年6月03日 [月]
徳島赤十字病院
第一整形外科部長・武田芳嗣先生
徳島大学医学部卒業。徳島大学医学部付属病院、高松赤十字病院、米国ピッツバーグ大学、徳島大学整形外科講師などを経て13年4月より現職。日本整形外科学会専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
徳島でも有数の高度な医療機能を持った総合病院
徳島赤十字病院は、高度な医療機能を持った県内でも有数の総合病院です。地域医療支援病院として、地域のかかりつけ医との病診連携にも積極的に取り組んでいます。
「患者さんの90%がかかりつけ医からの紹介です。整形外科だけでなく病院全体の方針として、長い間、周辺の医療機関との連携を取るよう努めています。そのため地域の医師たちとも日々交流を持ち、お互いの信頼関係を構築しています」
救急患者を積極的に受け入れる体制を取っているこちらでは、近隣のリハビリ専門病院との連携も行っているそう。
「当院を退院した後は、リハビリテーション専門の病院へ移っていただき、日常生活を快適に送れるようなシステムを作っています。連携先の病院とは密に連絡を取り合い、術後の患者さんへのケアもしっかりできるようにしています」
五十肩を放置すると危険なことも
先生が専門とされている関節外科の中でも、最近増えているのが肩の腱板断裂だと言います。
「思い当たるような原因がないのに肩周辺に痛みがでて、腕が上がらなくなる五十肩。自然に治ってしまう方も多いので、放っている人も少なくないはずです。しかし、痛みが続いて受診をすると腱板断裂が起こっていて、手術を行っても治しきれないまでに悪化している方がいらっしゃるのも事実です。腱板断裂は中高年の方に多く、いつ切れたのかわからないこともあります。痛みを感じない人もいるのですが、症状の他に年齢や仕事などを考慮し、治療方針を決定していきます。手術はほとんどすべて関節鏡で行います」
痛みが取れない場合は一度受診を
先生によれば、腕が上がらないだけでなく、ひじが曲がりにくい場合は頸の神経が障害されていることもあるので要注意だと言います。
「自分の力では腕が上がらなくても、片方の手をそえてやると上がる場合は、一度受診をして損はないと思います。肩の治療は、思った以上に時間のかかることが多いものです。痛みが取れないからと言って通院を止めてしまったり、いくつも病院を回っても結局は患者さんご自身の負担になってしまいます。痛みとは気長に付き合うつもりで治療を行っていってください」
徳島赤十字病院
公式サイト:http://www.tokushima-med.jrc.or.jp/