肩の痛み
[痛みの原因と治療法] 2013年6月03日 [月]
痛みの原因
主要な肩の痛みは大きく分けて、『首から肩甲骨にかけての痛み』と『肩関節の疾患による痛み』の2つに分類されます。首から肩甲骨にかけての痛みの代表的なものに肩こりが挙げられます。一方、肩関節の疾患による痛みについては、“五十肩”と呼ばれる肩関節周囲炎や、腱板断裂、石灰沈着性腱板炎などが挙げられます。
痛みに潜む病気
肩の痛みに潜む病気(一例) |
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肩腱板断裂 |
石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎) |
腕神経叢損傷 |
胸郭出口症候群 |
反復性肩関節脱臼 |
肩の痛みが起こる病気の一例をご紹介します。
肩こり
首すじや首のつけ根から、肩や背中にかけてはりやこり、痛みなどを生じるほか、頭痛や吐き気を伴うこともあります。大抵は首の後ろから肩、背中にかけて張っている僧帽筋という筋肉に症状がおこります。頚椎や頭蓋内の疾患、高血圧症、眼や耳鼻咽喉の疾患、肩関節の疾患が原因になって起こる場合もあります。
肩関節周囲炎(五十肩)
肩関節を包む袋(関節包)、周辺の靱帯や腱などが老化し、関節包の柔軟性が無くなることが原因とされています。中年以降、特に50歳代に多く見られる症状であることから“五十肩”とも言われています。動かす時に痛みがあり、髪を整えたり、服を着替えることが不自由になったり、夜中に痛みが生じたりします。肩の動きが悪くなります。一度なおると再発することは稀です。
肩腱板断裂
肩関節を被っている4つの腱板(棘上筋腱、棘下筋腱、肩甲下筋腱、小円筋腱で形成されている)が、老化や転倒、打撲、スポーツによって使い過ぎることなどで切れる病気です。肩が痛くて手をあげられずに、上の物をとることや、五十肩と同じような症状が長く、繰り返しておこります。肩に力が入らずに手を持ちあげることができなくなります。
治療法
首から肩甲骨にかけての痛みの代表例である、肩こりの治療では、シップ薬、痛み止め、筋弛緩薬、局所注射などの薬物療法のほか、筋肉の血流を改善させ、筋緊張をやわらげるマッサージ療法や、蒸しタオル、入浴などで筋緊張をやわらげる温熱療法、運動療法などを行います。一方、肩関節の疾患である肩関節周囲炎(五十肩)では、痛みが強い場合には三角巾などでの安静に加えて、消炎鎮痛剤の内服、注射などを行います。その後、温熱療法や運動療法などのリハビリを行いますが、改善しない場合は、外科手術を行う場合もあります。