喫煙は脊椎疾患にも悪影響 治療効果も低下

[ニュース・トピックス] 2013年11月25日 [月]

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脊椎疾患による痛みとたばこの関連性

(この画像はイメージです)

 たばこは「百害あって一利なし」とはよく言いますが、これは発がんリスクの上昇や呼吸器系の能力低下の問題だから、と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、喫煙の問題はそれだけではないようです。腰痛の原因の1つである、椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患に対しても喫煙が悪影響を与えていることが、米ロチェスター大学のCaleb J. Behrend教授らの研究で明らかになりました。
 今回の研究は、脊椎疾患で痛みを抱えている6,779人について、喫煙歴、年齢、そして一連の治療における痛みの変化を、視覚的評価スケールを用いて8か月間にわたり調べたもの。対象者の喫煙率は、55歳以上で8.9%、55歳以下では23.9%。禁煙率は55歳以上で25.1%、55歳以下では26.1%でした。

治療中の禁煙は痛みの緩和にプラス

 調査の結果、すべての年齢層において、喫煙している人は喫煙経験のない人と比べて、より大きな痛みを訴えていたことが明らかになりました。治療による痛みの改善度をからみると、喫煙者と非喫煙者の間には有意な差があらわれていました。なかでも、治療中に禁煙していた人は、喫煙を続けていた人よりも痛みが大きく改善していました。一方で、治療中も喫煙を続けた人は、痛みの著しい改善はみられなかったとしています。
 以上の結果から、喫煙が脊椎疾患に対しても悪影響を与えていることや、禁煙が痛みの緩和につながることが示されました。今は健康保険で禁煙治療を受けられる場合もあります。たばこをやめられない・・・とお悩みの方は、腰痛予防のためにも、一度、禁煙外来を行っている病院を受診してみてはいかがでしょうか。(QLife痛み編集部)

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