【医学的に徹底検証】本当に効くの?コンドロイチン、グルコサミン 前編

[ニュース・トピックス] 2013年9月06日 [金]

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コンドロイチン&グルコサミンは関節の痛みに効果がある?

コンドロイチン&グルコサミンは関節の痛みに効果はある?(この画像はイメージです)

 関節の痛みに悩む人で、コンドロイチンやグルコサミンを摂取している人は少なくありません。これらを成分とする健康食品・サプリメントのTVCMが連日流れていますが、注意してよく読むと、「関節痛の予防、治療に効く」と明確に言っているわけではありません。本当に飲むだけでグルグルグルグル・・・となるのかならないのか、一体どちらでしょう?このコンドロイチンとグルコサミンについて、徹底検証してみました。

コンドロイチンとは

コンドロイチン(画像はウィキメディアより)

 関節には、骨と骨が直接ぶつかりあわないように、クッション材の役割として軟骨が存在します。軟骨は加齢や激しい運動ですり減ってしまいがちで、やがて骨と骨が直接ぶつかるようになると炎症を起こします。これが変形性関節炎とよばれる病気です。この軟骨の成分の一つがコンドロイチンで、ムコ多糖の一種です。
 最初にコトバの整理をすると、一口に「コンドロイチン」と言っても、「コンドロイチン硫酸」を指す場合と、コンドロイチン硫酸の化合物である「コンドロイチン硫酸ナトリウム」を指す場合の、主に二つがあります。
 前者のコンドロイチン硫酸は、私たちの体の中で軟骨や体液の成分として存在しています。皮膚にも多く含まれ、組織を安定調整しています。納豆やオクラ、フカヒレや豚足など、食事の中にも含まれています。
 そのコンドロイチン硫酸を水に溶けやすくしたものが後者の「コンドロイチン硫酸ナトリウム」です(以下、コンドロイチン硫酸ナトリウムのことをコンドロイチンと称します)。魚肉ソーセージ、マヨネーズ、ドレッシングの乳化安定剤として使われたり、その吸水性、保湿性を活かして、化粧品などの美容製品や、ドライアイに対する医薬品(点眼薬)の成分としても使われています。
 そして肝心の「腰痛症、関節痛、関節炎」に対しては、医療用医薬品としてコンドロイチンの注射剤が複数の製薬会社から販売されており、治療現場で実際に用いられています。ただしこれは、患部に直接注入するタイプの注射剤であり、口から飲んで効くという医療用医薬品は存在しません。

グルコサミンは、コンドロイチンの成分の一つ

グルコサミン(画像はウィキメディアより)

 一方、グルコサミンとはアミノ糖の一つで、保湿物質として化粧品などで有名なヒアルロン酸の成分です。また、前出のコンドロイチンの成分でもあります。つまり、グルコサミンも私たちの軟骨に存在している物質の一つといえます。
 自然界ではカニやエビなどの甲殻類に多く含まれるほか、オクラやヤマイモなどのネバネバした部分にも含まれていて、増粘安定剤として加工食品にも利用されています。
 コンドロイチンと同じく栄養補助食品として一般的に広く流通しており、コンドロイチンとセットでサプリメントとして使われているケースも多く見られます。ただし、医薬品として販売されているものは、存在しません。

口から飲んだものが、はたして軟骨に届くのか

 健康食品がこれだけ大量に出回っている一方で、医療用医薬品にはなっていない(前出の注射剤は除く)のは、なぜでしょうか。実は、医学的にも「効く」「効かない」論争が続いているのです。
 一つのポイントは、「経口」つまり口から、コンドロイチンやグルコサミンを飲んで、はたして軟骨まで辿りつくのか?ということです。軟骨に必要な成分であるのは確かですから、もしも軟骨において成分補充されるのであれば、「関節痛に効く」可能性が高まります。この点について、医学界では否定的な意見が多いようです。口から摂った栄養分は、胃や腸で消化され、それが血液で全身に運ばれます。ところが関節軟骨には血管が存在しないため、コンドロイチンやグルコサミンが行き着くはずがないとの考えです。ただし人間の身体には、代謝や免疫など非常に複雑なメカニズムが備わっていますので、間接的に良い影響を与える可能性は残ります。
 もうひとつ、「効く」「効かない」の話をする時に重要なのが、悪い作用がないか(悪く効くことがないか)という視点を持つことです。医薬品が開発される際にも、ヒトで有効性のテストをするよりも先に有害性のテストを行います。コンドロイチンとグルコサミンに関しては、この点は問題がなさそうです。これだけ大量に様々な製品にて流通していて大きな事故の報告がないのですから、副作用の危険性は低いと考えて良い(※例外があります)でしょう。
※抗凝固薬(ワルファリンやヘパリンなど)を服用している患者さんの場合には、コンドロイチンやグルコサミンの摂取で出血リスクが高くなる可能性が指摘されています。

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