一人で関節リウマチの悩みを抱え込まないで
[関節リウマチと生活] 2015年11月10日 [火]
リウマチ患者さん同士の支え合いが力になる
家族にも理解してもらえない痛み、日常的な活動が制限される苛立ち、将来への不安など、関節リウマチの療養中には、時に言い様のない孤立感にとらわれることもあるでしょう。そんなとき、同じ病気の仲間に話を聞いてもらえると、大きな心の支えになります。当事者のコミュニティに参加すると、先輩患者さんの体験を聞くことができたり、最新の治療法や療養生活を快適にするヒントなども得ることができます。
日本で最大の関節リウマチの患者団体は、会員数1万8千人以上の公益社団法人「日本リウマチ友の会」です。同会は50年以上の歴史があり、これまでにも、新薬認可の署名活動をしたり、生物学的製剤の薬価問題にとり組むなど、患者さんたちをネットワークし社会に積極的に働きかけています。会員になると、最新の医療情報や公的支援制度、会員の体験談などが掲載された機関誌が送付され、医療講演会に参加したり、専門医の医療相談を受ける(要予約)ことなどができます。
また、最近はインターネット上のコミュニティや、患者さんが自分の経験を紹介するブログを介してリウマチ患者さんらが交流しているサイトもあります。
治療法は劇的に進歩していますが、それでもリウマチの療養生活は長期戦です。社会制度による支援はもちろん、必要ならば患者コミュニティの助けも借りて、一歩ずつ寛解を目指していきましょう。

監修:林 泰史 東京都リハビリテーション病院院長
1939年生まれ。1964年京都府立医科大学卒業後、東京大学整形外科に入局。東京都衛生局技監(東京都精神医学研究所所長兼任)、東京都老人医療センター院長、東京都老人総合研究所所長などを経て2006年より現職。
著書は「老いない技術」(祥伝社)、「骨の健康学」(岩波書店)など多数。
(スーパー図解 関節リウマチ 平成25年9月26日初版発行)