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[クリニックインタビュー] 2011/01/28[金]

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 2008年12月4日の第1回から早いものでおよそ2年。医療人の連載は、先週1月21日分の掲載でなんと100回を迎えました。これまで本当にさまざまなエピソードを連載でご紹介してきましたが、今回は過去50 回分を振り返って、その中でもアクセスの多い人気エントリーの回から、印象深いトピックを再度ピックアップいたします。

脳の不思議と驚異に魅せられた

 医師に限らず、将来どんな職業に就こうかを決めるきっかけには、印象深い体験が影響しているケースも多いと思います。「脳の虜になってしまいました」と語るのは、野猿峠脳神経外科病院の木根一典先生(第51回 脳の不思議と驚異に魅せられた。お父様から自身の家ががんの家系だと聞かされていた先生は、お母様の闘病を側で見守った体験もあり、「家族を助けたい」という強い想いをお持ちになったそうです。しかし、脳を専門にしたきっかけはまだまだ謎の多い脳のその神秘さに惹かれて、という純粋な好奇心から。脳科学、脳生理学と呼ばれるこの分野はいままさに日進月歩、新しい発見が次々となされているところで、先生自身も「いまだに私もワクワクドキドキの連続です」と語ってくださいました。

サラリーマンから医者へ、決意の転職

 「僕の経歴は、医者としては少し変わっているかもしれません」と、取材時には少し控えめな口調で語ってくださったのは、山口眼科クリニックの山口伸幸先生(第59回 サラリーマンから医者へ、決意の転職。大学は経済学部で、就職したのは電機メーカー。そこまではまったく医師とは関係のない人生を送っていらっしゃいましたが、「もっと専門的な仕事がしたい、スペシャリストになりたい」という想いが募り、2年半後に退職。医学部へ入学するべく試験勉強を開始、26歳で合格します。親御さんや親族に医師のいない、しかも高卒で入った人と比べて8年も遅れたスタートで、なかなか言い表せない苦労も多かったと想像できますが、先生は「やりたいことをやっているから、引け目を感じたりはしなかった」と、それほど強調するまでもなく淡々としていらっしゃいました。

医者寿命がある限り、リウマチ膠原病治療に尽くしたい

 よしだ内科クリニックの吉田智彦院長(第93回 医者寿命がある限り、リウマチ膠原病治療に尽くしたいは、曾祖父とお父様が医師という家系でしたが、「大学に入っても一生懸命勉強をしていたわけではなく、友人に勧められるがまま」リウマチ内科に入局。研究に今ひとつ興味を持てていなかったそうですが、担当になったひとりの膠原病患者さんとの出会いが、先生の人生を変えることになります。突然容態が悪化し、自力呼吸のできない危険な状態におちいったその患者さんを、何としても救いたいと死にもの狂いで勉強。病棟に泊まり込む患者さんのご家族とともに生活するほど、文字通り朝から夜中まで治療を続けたのです。その甲斐あって容態は好転、リハビリを経て退院するほどに回復されました。「僕はこの患者さんから、多くのことを教わり成長させてもらいました。それが僕の医者としてのターニングポイントだと思っています」と、まさに劇的な体験を振り返ってくださいました。

格闘医師は、いつも父の背中を見ている

 医師になれなかったお父様の意思を継いだのは、なかやまクリニックの中山健児先生(第62回 格闘医師は、いつも父の背中を見ている。先生のお父様は若い頃医師を目指し医学部を受けたものの、色盲であることが分かり断念せざるを得なかったそうです。それでも諦めることなく、就職した出版社で医学用語辞典の編纂を行うなど医学にかかわり続け、息子である中山先生には「医者になれ」といつも言い、夢を託していました。お父様はのちに東洋医学に興味をお持ちになり、お歳を召されても鍼灸を学びに中国へ留学するなど、亡くなる直前まで医療の世界にたずさわり続けたいと、自身も夢を追い続けられていました。「僕がもっとも尊敬しているところは、父がいつでも前を見て、諦めなかったことです」と語る中山先生。お父様が亡くなられた時には、いずれは2人でクリニックを立ち上げようと考えていただけに、心にぽっかり穴があいたようでしたと回想されていました。「僕は物心ついたときから、父をずっと尊敬し続けてきました。僕はすごくなまけものだし、秀才でも天才でもなかったけれど、いつも『父が僕を見ているから、恥ずかしいことはできない』と思っていた。いつか、父を超えられる日が来るのだろうか。もしかしたら、超えられないまま一生を終えるかもしれないと思うと、ちょっとさびしい気持ちです。でもそれほどに、父は素晴らしい医療人でした」と、医師ではなかったものの、医療への熱い心を持ち続けたお父様を讃えられています。

 思い入れたっぷりにその頃の気持ちを語ってくださる先生、一見普通のことのように淡々と語る先生。医師になろうと思ったきっかけを語るその様子は様々でしたが、共通するのは、その想いの強さなのではないか、と感じました。その強さが、日々忙しい中でも診療への気持ちを奮い立たせるモチベーションに繋がっているのかもしれません。(続く)

医療人の顔ぶれ 第51回~第75回





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